小さい頃に見た、不思議な夢を思い出したので、またここに書きます。
*
森の中にある、誰もその存在を知らないような広場に、私はいた。
雪が分厚く積もり、
見渡す限り銀世界で、
それでもなお、雪は降り積もる。
一人立ち尽くす私の前に、二つの黒い点が見える。
何だろうと目を凝らす内、雪が止んだ。
瞬間、私は思わず息を飲んだ。
白い、大きな狼が、私をじっと見つめていたのだ。
私と狼との間には、ほんの二、三メートルほどしか距離がない。
しかし、不思議と恐怖は感じなかった。
狼は、私を見つめたまま動かない。
私も、狼に見つめられて動けない。
“近づきたい”
そのような思考が、頭をよぎった。
その時、狼は私から目を逸らし、森に向かって走り出した。
“待って!”
声を上げようとした
その刹那、
強い風が吹き荒れ、地吹雪が私の視界を奪った。
風が止んだ時には既に、狼は姿を消していた。
そこで私は目覚めた。
私がいるのは、森の中などではなく、父の実家。
“ああ、夢か”
暖かい布団の中、私は溜息を吐いた。
私は未だに、あの夢を覚えている。
あの夢に、一体何の意味があるのだろう。
真実は、あの日の夢の、雪の中―――。
これは、小学生の頃に見た夢です。
本当に、今も鮮明に覚えています。
夢だったことが信じられないくらいに。
本当に綺麗で幻想的でした。
また、あんな夢見たいなぁ……。
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